アンブロキサン

特別でありながら謎めいた素材、アンバーグリス
天然のアンバーグリスは、マッコウクジラがイカやタコなどの海産物を食べた後に排出する天然の分泌物です。岩のような形をしたアンバーグリスは、海流に乗って何年も漂い、やがて海洋諸島の海岸にたどり着きます。海中にとどまる期間が長いほど、岩はヨウ素を吸収し、香りはいっそう強くなります。
アンバーグリスの採取過程でマッコウクジラが殺されたり、虐待されたりすることはありません。そのため、この素材はCITES*の対象ではありません。
しかし、毎年採取されるアンバーグリスの量はまったく予測できず、品質も一定ではありません。そのため、調香師の需要を満たすべく、香水業界では合成の代替品を探し続けてきました。

なめらかで持続性のある代替品、アンブロキサン
アンブロキサンは1950年代に開発され、オリエンタル系の香水に広く用いられていたアンバーグリスの代替品として使用されました。
この新しい高価な製品は完全な合成物です。香りを拡散させ、奥行きを加え、アンバーグリスの特徴をすべて備えています。ウッディでアンバー調でありながら、野性的で清潔感もあることが、やみつきになる香りの理由でしょう。
また、優れた保留剤でもあり、その香りはアンバーベースの他の合成香料、たとえばアンバーマックやカラナルよりも穏やかです。
なめらかで透明感があり、きらめく、まるで結晶のような側面が、澄みきったミネラル感のある潮風を思わせます。
(*絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)

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